旅行やレジャーで行楽地を訪れた際、皆さまはどのようなお店に入りたくなるでしょうか?
また、数あるお店の中から、わざわざ遠くても足を運びたいと思うのは、どのようなお店でしょうか?
行楽地には、飲食店や土産物店、専門店など、さまざまなお店があります。しかし、単に商品を販売しているだけでは、お客様に「ぜひ行ってみたい」と思っていただくことは難しいですね。
大切なのは、お客様がそのお店に行く理由、つまり「わざわざ行く価値」をつくることです。
今回は、その価値について5つの視点から考えてみましょう。
1.商品・サービス自体の価値
まずは、商品やサービスそのものに魅力があることです。
一つ目は「限定感」です。そこでしか買えない商品や味わえない料理、地域限定品、季節限定品などは、お客様の購買意欲を刺激します。「せっかくここまで来たのだから、買って帰りたい」と思っていただけることが大切ですね。
二つ目は「高品質」です。地元の良質な原材料を使っている、職人の高い技術によってつくられているなど、品質の高さが明確であれば、多少遠くても訪れる理由になります。
三つ目は「専門性」です。特定の商品を豊富に取りそろえている、専門知識を持ったスタッフがいるなど、その分野における品ぞろえの幅と深さが、お客様を引きつけます。
2.体験する価値
商品を購入するだけではなく、体験そのものを楽しめることも価値あることです。
例えば、商品の製造過程や調理の様子を見られること。普段は見ることのできない職人の技や、料理ができあがるまでの過程は、お客様の好奇心を刺激しますね。
また、雑貨を手づくりしたり、うどんを手打ちしたりする体験も魅力的です。自分でつくったものには愛着が生まれ、完成品を持ち帰ることができれば、いっそう楽しい旅の思い出にもなります。
さらに、農産物の収穫体験や茶道、着物の着付けなど、地域ならではの文化や暮らしに参加できることも価値になります。
単に「買う」だけではなく、「見る」「つくる」「参加する」という楽しみを提供することで、お店は特別な目的地になれます。
3.五感で感じる価値
五感を通じて感じられる価値もあります。
美しい自然の景色や歴史を感じさせる伝統建築物などは、視覚を楽しませてくれます。川のせせらぎや鳥のさえずりは聴覚に、海や森林の香りは嗅覚に働きかけます。
さらに、新鮮な地元産の食材を味わうことや、地域の特産品ならではの素材の手触りを楽しむことも、現地ならではの体験です。
こうした価値は、インターネットで商品を購入するだけでは、十分に味わうことができません。
お店の立地や空間、商品、演出を通じて五感を刺激することが、現地を訪れる魅力につながりますね。
4.人的な価値
人との出会いや交流も大切な価値です。
店主やスタッフの人柄がよく、温かい会話ができるお店には、商品を買う以上の魅力があります。お客様のことを覚えていてくれたり、地元ならではの情報を教えてくれたりすることも、うれしい体験になりますね。
また、地元でしか会えない職人とのふれあいも、大きな価値になります。
例えば、酒蔵の杜氏から酒づくりへのこだわりを聞く、和紙職人から伝統技術を教わるといった体験です。つくり手の思いや人柄に触れることで、商品への理解や愛着も深まります。
「この人に会いたい」「この人から買いたい」と思っていただければ、人そのものがお店の魅力になります。
5.情緒的な価値
感動や特別感といった、お客様の心に残る価値が提供できれば素晴らしいですね。
期待していた以上のおもてなしを受けたり、思いがけない心配りに触れたりすると、お客様はうれしい驚きを感じます。こうした予期せぬ感動は、記憶に残りやすく、誰かに話したくなる体験にもなります。
また、誕生日や結婚記念日、家族旅行など、特別な日の目的地になれることも重要です。記念撮影ができる演出や、特別なメニュー、心のこもったサービスなどによって、「今日はこのお店に来てよかった」と感じていただけます。
お客様にとって忘れられない思い出をつくることが、再来店やクチコミにもつながっていきます。
■「わざわざ行く価値」をつくりましょう!
ここまで、行楽地のお店にわざわざ行く理由を5つの視点から考えてきました。
もちろん、すべてを備えている必要はありませんが、自店の強みや立地、顧客層に合わせて、常に魅力を磨いていくことが大切です。
考えていただきたいのは、「お客様は、なぜ他のお店ではなく、わざわざ当店に来てくださるのだろうか?」という問いです。
もし、その答えが「近くにあるから」「ほかにお店がないから」だけであれば、競合店の出現や環境の変化によって、お客様を失ってしまう可能性があります。
一方、「ここでしか買えない」「ここでしか体験できない」「この人に会いたい」「ここに来ると幸せな気持ちになれる」という理由があれば、お店の存在価値は高まります。
店舗経営では、商品を販売することだけではなく、お客様がわざわざ訪れたくなる理由をつくることが重要です。
以上
あなたの店の「わざわざ訪れたくなる理由」は何ですか?
