「売上データだけでは改善ポイントがわからない」
「何故同じ失敗が繰り返されるのか不思議だ」
社長からのお悩み相談はつきません。
各業界には運営上のキーワードがあります。代表的なものは飲食業ですとQSC(Quality, Service, Cleanliness)、小売業ではSVO(Service, VMD, Operation)、サービス業ではSSC(Skill, Service, Cleanliness)などがあります。
これらのものが全て効果的に行われていて初めて売上も向上していきますが、これらが基準以上のもので行われているのかを社長自ら現場に赴いて確認することもとても大切ですね。
今回は社長が現場を訪問することの重要性を再認識していきましょう。
1.何故現場訪問が必要なのでしょうか
1)データに現れない”リアルな現場”を見ることができる
おススメ商品が期待したほど売れていない時などに、その理由を自分の目で確認することはとても大事です。
接客の中できちんとおすすめ商品として説明されているのか、おススメ商品が顧客の目に触れやすい状態になっているのか、繁忙時間にスタッフの人数は足りているのか、商品や必要な備品の在庫は充分にあるのかなど、データには表れにくい理由があるかどうかは現場で確認することが一番ですね。
2)報告事項と現実にズレがないかを確認できる
店長から上長へ報告されていることが、確かに現場の状況を正しく伝えているかを直接確認することも大切です。
隠すつもりのない店長の報告でも、必要なことが全て網羅されている報告であるとは限りません。現場運営で忙しい店長にとっては、本来報告するべきことがモレてしまうことは時としてはあることです。
報告書を期限までに提出することに気を取られて、重要な報告事項のことを忘れてしまうといったことはあり得ますね。
3)社長の方針が現場に浸透しているかを確認できる
会社の理念やその年の経営方針が現場に浸透しているかどうかは、会社の発展と従業員の満足に大きく影響を及ぼします。
全社が同じ目標に向かって仕事をしていること、スタッフ同士が協力しながら一体感を持って働いていることは、会社経営にとってとても重要なことですね。
理念や経営方針を暗唱させている会社もありますが、もちろんそのことが間違っていることではありませんが、大事なことはそれらの意味を正しく理解して、各個人が行動に移しているかということですね。
現場の訪問時には、スタッフの言葉でいいので、理念や経営方針の意味や行動などを聞いてみることが大事です。
4)会社の本気度を伝えることができる
社長の指示は、通常は組織の階層をとおして順次下位の階層へ伝えられていきます。
但し、現場の立場になってみますと、上長からは毎日様々な指示がおりてきますし、指示だけではなく多くの情報も共有されます。社長の指示はそのうちの一つだということを認識する必要があります。
ここにも社長の現場訪問の意義があります。社長からのメッセージは重要度でいえば最上位な内容のことが多いので、その内容が現場で実践されているかを社長自ら現場で確認することによって、そのメッセージの本気度が伝わりますね。
5)現場の声を聞くことができる
社長が現場を訪問した時は、普段接する機会の少ないスタッフと話しができる絶好のチャンスでもあります。
社長のところに上がってくる現場の声は、通常は中間の幹部社員によってスクリーニングされたものです。
それが良くないと言っているのではありません。ただ、社長に上がってくる現場の声は、社長の視点でスクリーニングされたものではないということを認識しておく必要があります。
ですので、社長が現場を訪問した時には、店長だけではなく、社員やパート/アルバイトのスタッフの声も時間が許す限り聞いた方が良いです。そのような中からでも、店長のマネジメント力や顧客の生の声などを把握することができますし、店のコミュニケーションの風通しの良さや本部のバックアップ体制の不備なども見えてくる可能性もあります。
2.現場訪問を経営改善につなげるために
1)改善の指示は通常の指示系統で行う
現場訪問によって見えた改善の対策は、緊急の場合を除いて通常の指示系統に沿って行う方が良いです。
店長の上長や経営幹部にも問題を共有した上で、解決策も上長や経営幹部に考えさせて実行する方が、会社全体の解決能力の向上にもつながります。
2)単店の改善か全店の改善かを見極める
改善が必要な問題が、特定の店だけで起きていることなのか、ほぼ全店で起きていることなのかを見極める必要があります。
単店の問題であれば、当該上長が中心になって店と解決していけば
良いのですが、全店に関係するような問題では、大抵の場合はその問題に関するもっと根っこの問題(経営上の本質的な問題)があり、経営幹部を含めて解決策を練らなければならないことが多いです。
このことをきちんと見極めながら問題の解決にあたることが必要です。
3)改善結果を報告させる
問題が改善できたあとの報告はタイムリーに上げさせることが大事です。
何ごとも指示したまま結果を追わないと、現場のやらなければならない感が薄れてしまいます。また、結果が出るまでに時間がかかることもあり得ますので、そのような場合でも、定期的に進捗報告をあげてもらうようにすると良いですね。
以上
あなたはどれくらいの頻度で現場訪問をしていますか?
