「そういう解決の仕方なのですね⁈」
「言われてみればそうですね!」
ご相談をいただき、解決策のロードマップをお話しした時に、よくお聞きする反応です。
実は問題解決の進め方を誤解しているケースが多くあります。
今回は、店舗経営のお困りごとを解決していく際に、気をつけたい誤解についてご説明いたします。
1.コミュケーションを良くするために、ミーティングを持とうとしていませんか?(コミュニケーションの誤解)
店長とスタッフの間、店舗と本部の間などのコミュニケーションが良くないという問題はよく聞かれます。
その時に、「ミーティングをもっと持って話し合います」という選択をするケースは多いです。
もちろんそのこと自体は間違いではありませんが、進める前に一つ考えてみましょう。
コミュニケーションがうまくいっていない時に、ミーティングの場だけを設けて、お互いに本音で話すことができるでしょうか。
ここでのおススメは、ミーティング+その他の短い会話の積み重ねです。
例えば、ミーティング後にお互いの理解の相違がないかを確認したり、仕事の合い間に立ち話的な会話をしたり、
分からないことを電話やメールで聞いてみたりすることです。
コミュニケーションは、小さな会話の積み重ねでお互いの信頼関係が深まり、
ミーティングでも有意義なやり取りができるようになると認識しておきましょう。
2.マネジメント力をつけるために、研修をやろうとしていませんか?(人財育成の誤解)
マネジメント力を体系的に学ぶために、研修をやることはとても効果的です。
但し、マネジメントの研修を何度やっても、マネジメント力はなかなか上がってきません。
それは研修で学んだことを、実際にどのように使えばよいのかが分からないことが原因です。
ここでのポイントは、人財育成をする時は『研修+OJT』という仕組みを最初から作っておくということです。
研修で学んだことを、上長が現場で実務として教えるということです。
これをして初めて本人が身につけることができ、研修内容が定着してくることになります。
実は、この『研修+OJT』の仕組みは、マネジメントだけではなく、接客技術であろうと、KPI管理であろうと、
人財育成が目的であればみな同様の考え方をすると良いので、是非覚えておきましょう。
3.従業員のモチベーションを高めるために、人事評価制度を整えようとしていませんか。(人事評価制度の誤解)
従業員満足度を上げるためや離職率を下げるために、
今は人事評価の基準があいまいなので、人事評価制度を整えるということもよく耳にします。
ただ、実際の離職者の離職理由の上位に、「人事評価制度が整っていないから」というケースはほとんどありません。
ここでのポイントは、人事評価制度という仕組みそのものも大事ですが、その運用の仕方も重要だということです。
重要度の割合でいいますと、人事評価制度(仕組み):その運用=20:80といった具合です。
例えば人事評価基準があいまいだという問題があった場合、基準を分かりやすく、明確なものを作ったとしても、
それだけでは従業員の納得感は限定的です。
その基準に沿った昇進や仕事の与えられ方になっているか、最終評価のフィードバックがきちんとされているかなどが大事なことで、
これは運用の仕方の問題ですね。
適切な運用をするためには、上長にあたるヒトを育てなければいけませんので、
評価者研修やその後のOJTなどで、評価者の育成を図っていきましょう。
以上
あなたの会社のOJT体制はきちんと稼働していますか?
