仕事の属人化は良くないと言われることがよくありますが、実際は高度な専門知識やスキルが求められるようなことは、専門化を進めた方が良い場合も多くあります。
ここでは仕事の専門化とその対極にある定型化について考えてみましょう。
1.専門化と定型化の違いとは
専門化とは、「あの人しかできない仕事」といったものを指し、定型化とは「誰でも同じ結果を出すことができる」ものを指します。
専門化も大きくは属人化の中に入りますので、考え方としては、
1)専門化する必要がある仕事は専門化する
2)専門化する必要がない仕事は定型化する
ということになります。
ところが、多くの会社でお困りのことは、2)の専門化する必要がないことも定型化が進んでおらず、特定の人に仕事がついてしまっているという状態ですね。
これが所謂、良くない属人化している仕事になります。
2.専門化と定型化の進め方とは
ではどこまでが専門化する仕事で、どこからが定型化する仕事かということですが、その基本的な考え方をお伝えしますね。
まず、スタッフの仕事のレベルとしては、次の4段階があります。
第1段階:基礎的な知識やスキルを持っている
第2段階:他人の見本となれる
第3段階:他人に教えることができる
第4段階:自分しかできないものがある
第1段階から第4段階へとレベルアップしていくにつれて、定型化する仕事の割合が減っていき、専門化する仕事の割合が増えていくということになります。
別の言い方をしますと、第1段階では定型化できる仕事がほとんどですので、その内容はマニュアルや指示書などで規定されているものになります。
第4段階では当人しかできない仕事なので、高いスキルが必要なものであったり、判断が伴うものであったりしますので、マニュアルなどでは規定できず、個別の対応をすることになります。
ではどのように専門化と定型化を進めていくのかを見ていきましょう。
ここではあなたの業界に照らし合わせて、自店の接客、料理提供、陳列、施術などを想定しながら考えてみてください。
1)まずは各段階における仕事の棚卸をしましょう。何がどこまでできるものなのかを言語化します。
2)それらの仕事を専門化する仕事と定型化する仕事に仕分けしましょう。これは店ごとにするのではなく、会社として判断するようにします。これは店ごとのバラつきをなくすためです。
3)定型化する仕事は、マニュアルや指示書などを整備して、誰でも同じ結果を出せるようにします。定型化を先に進める理由は、定型化できる仕事が属人化していることが多いためですね。その解消を先にしてあげましょう。
4)上記3)が終わってから専門化に対応できる人材を明確にして育成していきましょう。専門化された仕事は全てのスタッフにできることではありませんので、誰がどの専門化を進めるかを明らかにすることはとても大事ですね。
以上
あなたの店の専門化と定型化は進んでいますか?